STORY
ストーリー
変化を恐れずに踏み出した電気工事会社。
理念を見つめ直し、売上2倍を実現した飛躍のストーリー。
物語のあらすじ
“現状維持”を望む社長と、“良い会社にしたい”と願う息子。コンサル横谷が伝え続けた「計画」の力が、やがて社長の心に火をつける。理念が生まれ、夢を取り戻し、大きく飛躍する会社。そして想いは受け継がれていく―。“人はいくつになっても変われる”ことを教えてくれる、8年間の静かな変革の物語。
登場人物:
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税務顧問から始まった“静かな変化”
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横谷
もう8年のお付き合いですね。最初は税務顧問からでした。
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松本社長
もともと自分の代で終わりと思っていたんです。メーカーと価格勝負の厳しい世界で。ただ法改正で追い風が来たので、息子の圭一郎を呼び戻し、“税理士も変えよう”と。そこで銀行から紹介されたのがブラザシップの横谷さんでした。
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横谷
決算書を見て、安定して利益が出る「良い会社」だと感じましたね。
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圭一郎さん
面談に同席して初めて会社の数字を見ました。横谷さんに「これ、どう計算する?」って問題を出されたのを覚えています(笑)
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横谷
昔は少しの売上で良かったのが、今はしっかり稼がないと会社が回らない。一緒に計算しながら、その感覚を掴んでいただいたと思います。
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松本社長
数字を見るようになって、残る利益が増えてきたよね。以前は税金も払いたくなかったけど、横谷さんに「税金を払っても、それ以上に稼げばいいんですよ」と教わって変わりましたね。
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誰もが止めた投資が、会社の未来を動かした。
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横谷
2年ほど経って、社長から新工場の相談がありましたね。
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松本社長
貸工場でやってたんだけど、手狭になってね。友達の会社で「貸工場から急に出ていけと言われた」って話も聞いたから、次は自社で買いたい。最初は中古の安い工場を探したけど見つからんで、土地から探して新工場を建てようかと。ただ、最初に話した時の横谷さん、渋い顔をしとった(笑)
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横谷
当時の売上と同規模の投資でしたからね。専門家でも判断が分かれる局面だったと思いますが、私は「いける」と思ったんですよ。仕事は沢山あると伺っていたので。資金繰りを一緒にシミュレーションしましたね。
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松本社長
売上の見込はあったけど、借金は怖くてね、夜は眠れんかった(笑)でも息子たちのためにも頑張らんとって、決断しましたね。
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横谷
完成後、社長が「箱を大きくすれば、仕事も増えるんだな」と喜んでいたのが印象的でした。
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「計画を作ること」が、
会社を変えるなんて思わなかった。-
横谷
同時期にコンサルティングもご提案しましたね。「承継を見据え、理念やビジョンを言語化し、内部・外部環境を分析しながら、未来の計画を描きましょう」と。
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圭一郎さん
僕は理念が欲しかったし、社内の体制も整えたい。でも社長は「コンサルなんて机上の空論だ!」と大反対で(笑)
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横谷
最終的に、圭一郎さんと奥さんの想いに押されて、ご契約いただきました。
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松本社長
息子と奥さんを味方につけたのが強いよね(笑)
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横谷
当時の社長は「現状維持でいい」という温度感でした。そこから急成長されるとは、当時は想像もしなかったですね。
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圭一郎さん
当時は来た仕事で手一杯。体制を整えて「良い会社にしたい」くらいの気持ちでしたね。
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一人親方から“会社”へ。
時間をかけて、組織の形ができてきた。-
横谷
社内の体制づくりでは、評価制度や研修など色々取り組みましたが、何が一番大変でしたか?
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圭一郎さん
もともと会社にルールが全然なくて、みんなに周知して、守ってもらうのが大変でした。
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松本社長
俺がずっと一人親方だったでね。現場の長が各自で決めとったんです。
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圭一郎さん
例えば「夜勤明けは何時間後に出社する」とか。細かいルールをたくさん決めました。
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横谷
様々な変革を経て、社長が「会社っぽくなってきた」とおっしゃいましたよね。
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松本社長
“組織”になってきたよね。今までは一人ずつ「あれやって」と指示して回っとったのが、工場長に指示を出せば、上から下に伝わる。工場長にも「任せていこう」と考えが変わりました。
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圭一郎さん
若い社員も増えて、雰囲気が変わってきましたね。
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届かなくとも、伝え続けた「計画」の重要性。
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横谷
一方で、「理念」や「計画」の話は、なかなか進みませんでしたね。
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圭一郎さん
コンサル中も、社長はずっと腕を組んでムスッとしてたよね(笑)
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松本社長
最初の頃「10年計画を書け」って言われたけど、適当に書いた(笑)
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圭一郎さん
僕も体制づくりを優先したくて、理念や計画の宿題は忘れがちでした。何度も同じ宿題を出されるので、社長は「横谷さんには会いたくない。胃が痛い。」って(笑)
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横谷
なかなか動いてもらえず、もどかしかったですが、「そういうものだ」と捉え、根気よく言い続けました。社長からご相談があった時には、「こんな時、理念があれば、社員が同じ方向で動けるんじゃないですか?」ともお伝えしていましたね。
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松本社長
横谷さんは「あーしろ、こーしろ」とは言わんのよ。ただ、ちょこちょこと何度も言うんだわ(笑)
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横谷
関係性ができたタイミングで、圭一郎さんに「ブラザシップカレッジ」のBasic講座をご提案しました。それが転機になりましたね。
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理念は“社長の心の中”にある。
原点に立ち返り、社長の心に火が付いた。-
圭一郎さん
ブラザシップカレッジを受講して、横谷さんが何度も伝えてくれた「理念や計画の重要性」が腹落ちしたんです。続くAdvance講座は「社長と一緒に計画を作ってプレゼンする講座」です。社長を説得して一緒に参加しました。最初は「計画なんて頭でっかち!」「発表は嫌だ!」と反対してましたね(笑)
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松本社長
渋々参加して、自分の原点から考えたんです。サラリーマンの営業時代は冷遇されとった。大手の仕事が優先で、自分が取った案件は誰もやってくれない。仕方なく自分で覚えようと思ってね。見よう見まねで、火花をパーンと飛ばしたり、ビリビリ感電しながら「現場で修理する技術」を身に付けて、独立したんです。
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圭一郎さん
社長の経験から「電気を通してすべての人が笑顔になる」という理念が生まれました。
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松本社長
電気が止まって困っている人を助ける仕事。辛かった時代も振り返って、今そういう仕事ができているって本当にいいなと思ったし、「会社も伸ばしていかなあかん」と思えたんですよね。
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横谷
最初からブラザシップカレッジでも違ったと思います。5年間、税務や財務コンサルで積み重ねた対話や成果があって、社長の心が動いたんでしょうね。
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松本社長
横谷さんは最初から大事なことを言っとった。でもこちらがアンテナを張ってなかったから、キャッチできなかったんだよね。
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社長が「夢」を取り戻した日。
未来が勢いよく動き出した。-
横谷
2度目の受講で社長が「10億円を目指す」と発表され、初めての明確なビジョンに驚きました。
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松本社長
ずっと思っとったんです。「10億を超えて、メーカーと呼ばれる立場になりたい」と。
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横谷
そうだったんですね!でも、言えなかった?
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松本社長
いや、無理だと思ってた。設備も人も必要になる。どうやってやるのか、見当もつかんかった。
でも、圭一郎と奥さんが真剣に取り組んで、会社が伸びるのを見てね。俺も次はこれしよう、あれしようって自然と動きたくなった。理念も固まって、ある日ふと「行けるんじゃないか」って。 -
圭一郎さん
本当に突然、社長が変わったんですよ。
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松本社長
それまでは一人親方の延長で“日銭を稼ぐ”感覚だった。でも今は経営者として「10億をどう達成するか」を計画する。売上が全てじゃなくて、社会の変化や、従業員の育成、給料をどう上げるか。やることは山ほどあってしんどいよ。それでも、夢に向かって計画し、試行錯誤を続ける今が、一番楽しいんです。
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横谷
何年も安定していた売上が2倍以上に。本当に大きく飛躍されましたね。
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「変わった自分」こそ、一番の財産。
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松本社長
計画って本当に大事だよ。この俺が言うんだからね(笑)
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横谷
7年かけて、徐々に変わりましたよね。どの言葉が転機になったのか、正直わからないんです。
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松本社長
言い続けてくれたからだと思う。1年で変わる人もおるけど、俺は7年かかった(笑)横谷さんがいなかったら、会社を大きくしようなんて思わなかった。
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横谷
実は、特別なご支援をしたわけではないんです。理念や計画の宿題も、ブラザシップの標準的な支援シートをお渡ししました。社内の体制づくりも「うちではこうしている」とご紹介しただけ。ブラザシップに入社して学んだ「経営の原理原則」の重要性。それを伝え続けただけなんです。
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圭一郎さん
最初の頃、「俺はもういいや」と言っていた社長が、ここ数年は言わなくなりましたよね(笑)
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松本社長
「これをやめなさい」「しなさい」と言って人を変えるのは簡単。でも、何を言われたか覚えていないのに、人が変わった――それが凄いと思う。横谷さんは“売上を上げる”支援じゃなく、“人を変える”支援をしてくれた。売上なんていい時も、悪い時もある。でも“変わった自分”は、これから一生の財産になるからね。
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変わっていく社長を見て、
経営支援の本当の力を知った。-
横谷
多くの経営者の方は、30~40代はギラギラしていても、やがて先が見えて「これくらいでいいや」となる。だから社長が60代で「10億を目指す」と言われたことが本当に嬉しくて。そんな夢を持てるんだって。
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松本社長
今は、年齢は感じてないよね(笑)
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横谷
実は前にいた会計事務所で、経営支援の限界を感じたんです。予実管理の支援でしたが、景気に左右されることが多く、自分には何もできなかった。転職を考えた時、うちの代表に「本物の経営支援を見せてやる」と誘われて入社しました。
そこから財務を学び、赤字の会社を黒字にする支援はたくさん経験しました。赤字の会社は何かを管理できていないので、わかりやすいんですね。でも、御社のように“良い会社”がさらに良くなり、飛躍される――。これは初めての経験でした。苦労もありましたが、「本物の経営支援ってこんなこともできるんだ」と思えたんです。 -
松本社長
人間は、変われるものだからね(笑)最初の頃は、自分のプライドが邪魔してたんだよね。でも横谷さんは、結果を求めず、思ったことを親身に伝え続けてくれた。長い時間をかけて、相手の人生を変える。それができる人が、本物のコンサルタントなんだと思うよ。
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親から子へ、想いを受け継いで。
家族の物語は続いていく。-
横谷
社長がここまで変わられたのは、圭一郎さんの存在も大きいですよね。
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松本社長
やっぱり大きい会社にして継ぎたい。圭一郎は俺と一緒で営業センスがある。でもそれだけじゃなく、色んなことを学んで、改革を進めてくれて、頼もしいよね。最近は腹を割って話せるようになってね、1人じゃなく、2人で悩めるのが本当に嬉しいんですよ。
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圭一郎さん
前は経営の“け”の字もわかりませんでしたが、今は“けい”くらいはわかります(笑)
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松本社長
70歳で引退して、苦労をかけた奥さんと旅行に行きたい。若い頃は本当に大変でね、圭一郎が小学校の頃なんか、土日も家にいてやれんかった。残り5年で夢を叶えて、あとは圭一郎と奥さん、そして今後入社する圭一郎の弟に、託したいです。仲良く、力を合わせてやって欲しいですね。
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圭一郎さん
あと5年、社長と同じ目標に向かって会社を成長させていく。凄く楽しみだなと思います。横谷さんにはこれからも二人三脚で支えて欲しいですね。
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松本社長
まだまだ経営に関しては素人。毎年計画を立てますから、横谷さんには、今後も気が付いたことを教えて欲しいです。
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