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2020.09.28

【経営コラム】私たちがブラック寸前の会計事務所から改善できた理由

弊社代表松原が会計人向けニュースメディア「KaikeiZine」にて連載をしているコラムを掲載しております。


私たち税理士法人ブラザシップが目指している仕事環境は、「安心安全な職場」です。しかし、最初からそのような職場を築くことができたわけではありません。
今回は、「ブラック寸前」ともいえる状態だった税理士法人ブラザシップを、どのように立て直したのかについてお話しします。

 

「ブラック寸前」だった過去

私たち税理士法人ブラザシップが目指している仕事環境は、「安心安全な職場」です。私たちがイメージする安心安全な職場とは、人間関係が良好で、不安や恐れがなく、自分の意見が自由に言え、強制されることなく全員が主体的に動き、あちこちで感謝や承認があり、仕事が楽しみで日曜夕方に憂鬱にならない職場です。

かといってぬるま湯とは違い、規律があり、本人に必要なフィードバックは必ずされ、挑戦する文化があり、失敗したとしても非難されずナイストライと認められる。そんな職場を目指しています。

心理的安全性が高い職場は、パフォーマンスも高くなると科学的に立証されています。あのgoogleでも会議に入る前にアイスブレイクを大切にする文化があり、家族やプライベートについての会話が職場でよくされると本に書かれています。

私たちは、今は理想の安心安全な職場に近づいている実感がありますが、過去はそうではありませんでした。むしろ、正社員が数人の少規模だった時の私たちは、それとは真逆だったのです。

当時は成果に事務所自体の存続がかかっていたことから、仕事を取ってくる人が一番偉いという成果主義。完全にトップダウンであり、精神的なプレッシャーをかけることで社員を動かしていました。事務所には常に緊張感があり、雑談をしている余裕はありません。自分が寝ている時間を削って働いているのだから、社員も同じくらい働いて当然だと思っていました。なぜ言われたことが出来ないのか、それこそ1時間以上つめることも珍しくなかったのです。

高圧的なマネジメントしか知らなかった

今から振り返ると後悔や恥ずかしさでいっぱいになりますが、なぜ私たちはそんなマネジメントをしていたのでしょうか。それは「そんなマネジメントしか知らなかった」からではないかと思います。自分が会社員として働いていた職場がそうだったから、それが正しいと信じ込んでいたのです。

また、高圧的なマネジメントは、短期的には成果が出るから厄介です。社員は怒られたくないから頑張るのです。しかし、長くは続きません。社員は疲弊し、パフォーマンスは落ちてきます。その場しのぎの嘘をつき、ミスを隠すようになります。職場の雰囲気は悪くなり、社員は孤立し、そしてある日退職届が突き付けられるのです。

私は自分の力不足を痛感しました。いくら良い戦略を描けたとしても、それを実行する組織を作れなければ絵に描いた餅になってしまいます。経営は短距離走ではなくマラソンなのです。私はそれまで組織の作り方について深く学んできませんでした。いや、正確に言うと軽視してきたのです。優秀なメンバーを集めれば何とかしてくれる、人間話せば分かってもらえる、裏側にある愛情は理解してもらえるだろう、問題が起こってもそれはたまたま起こっただけで、時間とともに自然と解決していくだろう。そう本気で思っていました。

変わるきっかけとなった出会い

このままではまた同じことが起きてしまう、どうやったら人が辞めずに、生き生きと成長できる組織が作れるようになるのか知りたい。そんな時に出会ったのが、アチーブメント株式会社であり、選択理論心理学でした。

アチーブメント株式会社は日本最高峰の能力開発会社であり、働きがいのある会社ランキングで5年連続ベストカンパニーに選ばれています。選択理論心理学はアメリカの精神科医ウィリアムグラッサー博士によって提唱された新しい心理学で、アチーブメントの理論のベースになっています。そこで私は、本当の理念経営とは何か、人間の幸せ、行動のメカニズム、創造性などについて多くを学び、今も学び続けています。社員も自発的に学んでくれており、その輪が広がり、今では正社員全員が選択理論心理学を学んでくれています。それによってどんどん社内の水質が良くなっていきました。

自分自身の幸せが社会の幸せへ

私たちは、それまでの経営理念だった「中小企業の経営に安心と感動を与える、そして中小企業を活性化する」をミッションに再定義しました。そして、「全職員の物心両面の幸福を追求し、社会に貢献する」を最上位概念である経営理念に定めました。社員が幸せじゃない会社がどうして社会を幸せにできるのでしょうか。考えてみれば当たり前のことなのですが、ようやく腹落ちしたのです。まずは自分自身が幸せであること、次は家族、そして仲間を大切に、それからお客様、業界、社会へと影響の輪を広げていくのです。

おかげさまで、今は退職者が出ず、産休でも全員戻ってきたいと言ってもらえるようになりました。建設的な意見が若手社員からもどんどん出てくるようになり、そこから生まれた新商品や生産性改善の取組みもたくさんあります。人間関係は良好で、職場で家族やプライベートの話が良く出るようになっています。全員が支援的なかかわりを意識し、どうやったら目標達成できるかのアドバイスが部署を超えて出るようになりました。このメンバーなら、本気で社会を変えられる、そう信じられる私は本当に幸せです。

次回は、安心安全な職場にするための具体的な取り組みについて紹介したいと思います。


下記のURLからでもお読みいただけます。

税理士法人Brothership代表 松原潤の経営コラム

是非ご一読ください。

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