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2020.11.02

【経営コラム】離職がゼロに。人が辞めない会計事務所の5つの制度を大公開

弊社代表松原が会計人向けニュースメディア「KaikeiZine」にて連載をしているコラムを掲載しております。


税理士法人ブラザシップの松原潤です。前回は、私たちがブラック寸前の会計事務所から改善できた理由についてお伝えしました。今回は、スタッフが長く働きたいと思えるような、安心安全な職場にするために取り入れている5つの制度についてお話しします。

 

会計事務所の代表としての心構え

まずは、トップとして私が心掛けている前提についてお話しします。

それは、スタッフに対して批判的ではなく常に支援的であるということです。ブラック寸前であった以前は「なぜ出来ないのか」、「なぜやると言ったのにやっていないのか」などと詰問に近い質問をしていました。しかし、今はそのようにスタッフを問いつめることはありません。

なぜ支援的になることができたのかというと、スタッフの目標未達成やミスなど思い通りに進まないことの責任は、全てトップの私にある、ということに気づいたからです。本人はその時の最善を尽くしているのです。私たちの事務所に、わざと手抜きをしているスタッフはいません。仮にいたとすれば、それは採用した私の責任です。本人がミスをした場合も、ミスをカバーする仕組みをつくっていない私の責任です。本人がずっと目標未達が続いていた場合も、出来るようになるための教育の仕組みをつくっていない私の責任なのです。

トップは最終的には成果を出さなければなりません。感情的になるよりも成果を出すためにはどうしたらよいかを考えたほうが確実に成功に近づきます。このシンプルな原理が腹落ちしたことで、今はスタッフの目標達成を支援し、業務の障害になっているものを取り除く意識を強く持っています。

とはいえ、人の意志は弱いので、力を抜くと他責の感情が起こります。それを防ぐためにやっていることについては、機会があればご紹介することとして、今回は私たちの事務所が取り入れている制度についてお話ししていきます。

経営計画発表会

先の見えない経営はスタッフも不安になります。そこで、私たちの事務所も経営計画書を作成し、経営計画発表会を年に1回開催しています。私たちがどこに向かおうとしているのか、そのために大切にすべき価値観は何か、現状を正しく把握し、課題の優先順位をつけて、具体的に何をしていくのかを明確にしています。大きな指針はトップが示しますが、具体的な数字や行動はボトムアップで吸い上げます。私たちの経営計画発表会は、トップの2倍以上の時間を使ってスタッフがプレゼンをします。なぜなら主役はスタッフだからです。自分たちが事務所をどうしていきたいかを主体的に考える良い機会となります。

1on1制度

毎月においては、1on1の制度があり、本人の目標の振り返りをサポートしています。正社員全員と1時間、1対1の時間をとり、2人だけの空間にして自由に発言できるようにしています。目標は仕事もあれば健康や家族についても含まれます。そこでは常に肯定的な発言を心掛けています。目標達成に向けて困っているところはどこか、何か私にできること、して欲しいことはないかを聞いていきます。そしてもっと良くなるためにはどうしたらよいかをコーチングによって引き出します。スタッフのやるべきことや優先順位が整理され、成長を促進することができます。

キャリアカウンセリング制度

キャリアカウンセリングという制度もあります。こちらも毎月1対1で1時間。1on1と異なり、より自由なテーマで長期的な視点になります。キャリアに迷いがないように、会社の理念ビジョンと本人の人生の目的目標が重なるように対話をしています。悩みを早期に気づけるだけでなく、ともにワクワクを感じられる時間です。

チームビルディング研修

年に1回丸3日間使って、正社員全員参加のチームビルディングを行っています。そこでは、スタッフの人生の目的、それに至った経緯、私たちの会社で成し遂げたいことなどを話し合います。スタッフの勇気ある自己開示により、お互いを深く知る最上の時間になっています。普段気づかない一面を知れることで、メンバー間の距離感をさらに縮めることが出来ています。

サンクスカード制度

サンクスカードといって、感謝のメッセージを伝えるカードが社内に置いてあります。これもスタッフからの発案です。口頭での感謝も嬉しいですが、カードを渡されるとまた格別です。思うだけでなく形にすることで感謝の気持ちをより伝えることが出来ています。

スタッフ全員参加の会計事務所経営

このような制度を取り入れてエンゲージメントを高めることで私たちは全員参加の経営を目指しています。トップダウンではなく、全員が主体的に考え行動できる組織は強い。そのために、透明性を高める経営をしています。具体的に言えば、私たちは月次損益を毎月スタッフに報告し、数字をオープンにしています。そして最終利益の20%を決算賞与で分配します。様々な経営判断についても、なぜそういう結論に至ったのかを丁寧に話すことを心掛けています。後ろめたくない経営をすること。これは正しい経営判断をするのに本当に役立ちます。

そして、どのポジションであってもスタッフからの建設的な意見はすぐに取り入れるようにしています。最近で言えば、PCのディスプレイを4Kの31インチにして生産性を上げたい、会社案内資料の表現を変えてもっと良くしたい、新しいクラウドサービスを見つけたので自社で使ってみたい、など毎週のように提案があります。経営者にとってこんなに有難いことはありません。

今後も毎年社員が3~5人増えていきますが、全員が主役であり、全員が家族と思える組織を作っていきたいと思います。


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税理士法人Brothership代表 松原潤の経営コラム

是非ご一読ください。

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