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会計freee(フリー)の「タグ」を徹底解説!お勧めの使い方や注意点を紹介します!【税理士監修】

はじめまして。freee認定5つ星アドバイザーの税理士法人ブラザシップです。

さて、クラウド会計freeeの特徴的な機能の1つである「タグ」ですが、他の会計ソフトには無い機能のため、「使い方が分からない」、「補助科目や備考欄との違いは?」、「タグの使い分けは?」などの疑問も多くあるかと思います。

今回のコラムでは、200社以上の導入支援を行ってきた私たちの経験から、【freee会計のタグ】に関して、その特徴やおすすめの使い方、活用事例をお伝えします!

1.freeeの「タグ」とは?

はじめにfreeeのタグについて基本的な内容を解説します!
freee会計のタグは、一般的な会計ソフトの”補助科目”や”部門”の代わりになるもので、「取引先タグ」、「品目タグ」、「部門タグ」、「メモタグ」、「セグメント」の5種類があります。実際のイメージを見ていただくのが早いと思いますので、3つの画像で解説していきますね。

▲従来の会計ソフトは1つの取引に「補助科目」と「部門」の2種類の情報を付与できます。それに対してfreeeでは、1つの取引に最大7種類(4つのタグと、3つのセグメント)の情報を持たせることができます。

▲その結果、freeeでは試算表や月次推移などのレポート画面で、勘定科目をクリックすると、タグの情報に基づき、様々な切り口で内訳を表示できます。 (画像は”売上高”について①取引先別・②品目別・③部門別の3つの切り口で表示させたイメージです。)

▲複数のタグを組み合わせたクロス集計やプロジェクト別の採算管理も可能です。 つまり、freeeの「タグ」を活用することで、従来の会計ソフトではできなかった高度な経営分析ができるのです。

2.タグ活用の最重要ポイント _1年目は税金計算を最優先!

freeeのタグは種類が多く、活用の幅も広いため、「何から手を付けたらよいかわからない」、「適当に使い始めたら、めちゃくちゃになってしまった」などのトラブルも起こりがちです。

また「あんな分析もしたい、こんな分析もしたい」と理想を詰め込んだ結果、毎月の入力に時間がかかりすぎて「月次が締まらない(試算表が作成できない)」というケースもあります。

そこで、導入1年目は税務上必要な情報に絞って、タグを管理するのがおすすめです。

freeeのタグでは部門別・商品別・プロジェクト別など様々な情報を管理できますが、税金を計算するために必要なのは、売上や利益、主要科目の取引先別残高、消費税区分など限られた情報だけです。限られた情報とは言え、税務上は重要な情報であり、これらの情報が毎月把握できていなければ、決算前の納税予測も難しくなります。

そのため、1年目は税金計算に必要な最低限の情報をタグで管理し、毎月の入力が翌月10日までに余裕で終わるようになったら、使うタグを少しずつ増やし、理想の運用に近付けていくのがおすすめです。

それでは「税金計算に必要な最低限の情報」とは何でしょうか?

次の章から順にご紹介していきます!

3.「取引先タグ」とは?1年目にマスターすべき使い方や注意点を解説!

freeeには様々なタグがありますが、一番重要なタグであり、1年目から完璧に使いこなしていただきたいのが「取引先タグ」です。

「取引先タグ」には取引の相手先を登録します。全ての取引で必ず入力しましょう。取引先タグを入力することで、売掛金・買掛金等の科目について、取引先別残高が集計され、税務申告書の「勘定科目の内訳書」を作成することができます。

また、消費税法上も、仕入税額控除を受けるための帳簿の記載要件として、取引の相手方の名称を記載することとされています。 なお、取引先名はタグではなく備考欄に入力することもできますが、取引先タグとして入力しておけば、入力漏れがあった場合に、「取引先タグ:未選択」となり、未入力がすぐに発見できるのでおすすめです。

取引先タグの失敗事例と対策

取引先タグの運用で1番良くある失敗は、「タグの乱立・重複」です。

例えば、同じ会社なのに、①株式会社ブラザシップ、②(株)ブラザシップ、③ブラザシップ、④Brothership、などと、タグが乱立することがよくあります。

あらかじめ、「会社名は全角で登録する・(株)などの略語を使う」などのルールを設定し、主要な取引先をインポートしてから始めるのが良いでしょう。

そして、ルールを決めていても、必ず表記ゆれは起こりますので、入力後のチェックを習慣づけしましょう。具体的には1か月に1度、会計事務所の監査前に、取引先タグの未選択や重複がないか確認することをおすすめします。

「取引先タグ」について1年目にやることをまとめると、以下の4つとなります。

  • 「取引先タグ」の表記ルールを決める
  • 主要な取引先をあらかじめ設定する
  • 毎回の帳簿付けで必ず「取引先タグ」を入力する
  • 毎月、監査の前に入力チェックを行う

4.「品目タグ」とは?1年目にマスターすべき使い方や注意点を解説!

「品目タグ」とは、取引先以外の切り口で、勘定科目の内訳を知りたい場合に使います。

例えば、売上高の内訳として”商品ごとに品目タグ”を付けたり、水道光熱費の内訳として”ガス・電気・水道等の品目タグ”を付けることができます。

自由度の高いタグですので、様々な活用法が考えられますが、導入1年目は、税務上、特に注意が必要な科目に限り、最低限の品目タグを設定することをお勧めします。

具体的には顧問税理士の先生にご相談いただくのがよいですが、例えば、私たちブラザシップでは、以下のような品目タグをお客様にご利用いただいています。

例)交際費の品目タグ:贈答品・手土産代、ゴルフプレー代、ゴルフ場利用税、接待飲食代、慶弔費

交際費は税務調査でも内容を確認されることの多い重要科目です。
消費税の処理も煩雑で、贈答品や手土産が食品なら軽減税率8%対象、慶弔費なら不課税、ゴルフ場利用税は不課税など、その処理には注意が必要です。

そのため、事前に私たちで品目タグを設定し、そこから選んでもらうことで、税務上の留意点を見逃さず、かつ、経理担当者とのやり取りを増やさないようにしているのです。

同様に、ブラザシップでは、預り金・車両費・福利厚生費などの重要科目でも、標準の品目タグをご用意し、利用いただいています。

品目タグの失敗事例と対策

品目タグの運用で1番良くある失敗は、「タグが増えすぎて管理不能になること」です。

例えば、消耗品費という科目に用いる品目タグとして、「事務用品」・「ハサミ」・「トイレットペーパー」・「現場消耗品」・「コピー代」・「A支店備品」…などと増え続けることがあります。ここまで来ると、もう管理不能ですよね。

この失敗を避けるためには、以下の4点の対策が重要です。

  • 品目タグを使う勘定科目を絞る
  • 品目タグは予め作成し、新規作成ができない設定にしておく
  • 勘定科目に対して、品目タグを紐づけておく
  • 品目タグの選択肢にない情報は「備考欄」に入力する

「品目タグ」について1年目にやることをまとめると、以下の5点となります。

  • 顧問税理士と相談し、税務上最低限必要な品目タグを設定する
  • その他、社内で管理上どうしても必要な品目タグを設定する(できるだけ少なく)
  • 勘定科目に品目タグを紐づける
  • 品目タグを増やせないよう設定する
  • 入力後、監査の前に必ずチェックする(取引先タグと同様)

5.1年目はその他のタグは使わない!

freeeには他にも「部門タグ」・「メモタグ」・「セグメント」など様々なタグがありますが、1年目は「取引先タグ」と「品目タグ」のみ使うことをおすすめします。(ただし、既存の会計ソフトで部門管理ができている場合は、そのまま引き継いで「部門タグ」としても良いかも知れません。)

何度も繰り返しますが、タグを増やしすぎて、月次が締まらなくなっては本末転倒です。まずは2つのタグに絞り、翌10日までの入力完了を目指しましょう!

ちなみに、過去200社以上の中小企業にfreeeを導入してきた私たちの経験上、「取引先タグ」と「品目タグ」に絞ったとしても、運用が軌道に乗るまで3~6カ月はかかります!

1年目はとにかく無理をせず、確実に進めることを意識していきましょう。

6.「部門タグ」の使い方は?活用例は?

freeeの「部門タグ」は、部門別に収支(損益)を知りたい時に利用します。
一般的な会計ソフトの「部門」とほぼ同じ機能です。

【部門タグの活用例】

  • 店舗別に部門タグを作成(○○店/△△店/□□店)
  • 事業別に部門タグを作成(運送事業/倉庫事業、既存事業/新規事業)
  • 組織別に部門タグを作成(業務1課/業務2課/業務3課)

なお、部門別の収支管理を始める際には、「銀行口座やクレジットカードを部門別にわける」ことをおすすめしています。少し面倒ですが、お金の流れをわけるだけで、「感覚的に部門別の損益がわかる」状態になりますし、freeeへの登録も劇的に楽になります。

7.「メモタグ」の使い方は?備考欄や品目タグとは何が違うの?

freeeのメモタグは、様々な用途に使える「メモ」として活用できます。

「メモタグ」という名称から、単なるメモ欄と捉えている方が多いですが、実は一番活用の幅が広いのがメモタグです。弊社では「メモタグは自社に重要な数値の管理(KPI管理)に活用できるので、今は使わずに取っておいて!」とお伝えすることが多いです。

様々な活用方法が考えられますが、代表的な事例を3つ紹介します。

■メモタグ活用例①_税理士とのコミュニケーションに活用

入力した仕訳に不安がある場合に「要確認」のメモタグを付け、税理士の監査が完了したらメモタグを外すことで、税理士とのコミュニケーションに活用できます。

ただし、上述のとおり「メモタグはKPI管理のために取っておきたい」ので、税理士とのコミュニケーションに関してはfreeeの「コメント機能」もおすすめです。

▼freeeのコメント機能:freeeでは1つ1つの取引(仕訳)に「コメント」を付けることができます。「解決済」のチェックボックスもあり、便利です。

(画像引用元:freeeヘルプセンター
■メモタグ活用例②_工事別、案件別の採算管理に活用(KPI管理)

続いておすすめのメモタグ活用例は、建設業やIT開発等の業種で、工事別や案件別の採算管理に活用することです。

メモタグに「工事番号・現場名」や「案件番号・案件名」を登録し、売上と原価の両方にメモタグを付けることで、試算表や月次推移の画面で、工事別・案件別の限界利益(粗利)を把握できます。専用の原価管理ソフトと比べると簡易的な管理ですが、年間の工事数・案件数がそれほど多くない場合には、十分に役立ちます。

■メモタグ活用例③_売上高の内訳管理に活用(KPI管理)

最後の活用例は「売上高」の内訳管理です。売上高の内訳管理には、「取引先タグ」・「品目タグ」・「部門タグ」を活用できますが、それに加えて、「さらに追加で分析したい」場合には、メモタグを活用すると便利です。例えば、次のような活用法があります。

▼業種別のメモタグ活用例

  • 飲食チェーン店:加盟店/直営店別の売上管理、SV担当別の売上管理
  • 保険や不動産などの営業会社・士業・コンサル会社:担当者別の売上管理
  • 建設業:取引先と元請が異なる場合に、元請をメモタグで管理
  • 運送業や建設業:官公庁への提出が必要な数値の内訳管理
  • 製造業や研究開発系の会社:補助金申請に必要な数値の管理

以上がメモタグの活用例でした。メモタグはこの他にも様々な活用法が考えられます。ぜひ、”単なるメモ代わり”ではなく、戦略的に活用してくださいね。

まとめ

今回の記事では「会計freee(フリー)の「タグ」を徹底解説!お勧めの使い方や注意点を紹介します!」というテーマで解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

私たち税理士法人ブラザシップは全国でも数少ないfreeeの認定5つ星アドバイザーであり、中小企業を中心に200社以上のfreee導入実績があります。

“freeeのタグがぐちゃぐちゃになり困っている”、”自社におすすめのタグの使い方を知りたい”などのfreeeに関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!

この記事の監修者

税理士法人ブラザシップ
[東京オフィス]
代表社員/
公認会計士・税理士 松原 潤

大手監査法人、トヨタ系ベンチャーキャピタルを経て、2014年、共同代表の加藤と共に税理士法人ブラザシップを設立。売上高1億円〜30億円規模の中小企業に特化した経営支援型の会計事務所として400社以上の経営支援に携わる。経営支援の全国大会では3度優勝。近年はクラウド会計freeeの導入支援に力を入れ、freeeの5つ星認定アドバイザーとして、200社以上への導入、freee主催セミナーでの登壇、freeeの社内研修で弊社支援事例が使われる等の実績多数。

この記事の執筆者

税理士法人ブラザシップ
[名古屋オフィス]
マーケティング事業部
マーケター 渡邉 美沙子

会計ソフトメーカー勤務を経て、2018年に税理士法人ブラザシップに入社。入社後4年間は税務顧問やfreee導入支援、財務コンサルティングを担当。育休復帰後、「ブラザシップやfreeeの魅力を多くの方に伝える人になりたい」と希望し、2022年にマーケティング事業部を立ち上げ、専任となる。現在は主にクラウド会計freeeに関するウェビナー企画や導入事例記事、コラム等の執筆を行う。

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