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ブラザシップコラム Brothership Column

クラウド会計

中小企業DX化のカギを握るクラウド型会計ソフトの導入と運用のポイント

2021.07.23

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中小企業のDX化が進む中、その中心になるのがクラウド型会計ソフトです。
ブラザシップでは、このクラウド型会計ソフトの導入のご支援に力を入れており、多くのノウハウを持っています。
本日のコラムは、私たちが実務において培ってきたクラウド型会計ソフトの導入手法と運用のポイントについて書きたいと思います。

クラウド型会計ソフトとは?

そもそもクラウド型会計ソフトとはどのようなものなのでしょうか?
クラウド型会計ソフトとは、インターネット環境さえあればどこからでも経理作業ができるシステムであり、インストール型と異なり、パソコンにソフトをインストールする必要はありません。
クラウド型の会計ソフトには、おもな以下のような特徴があります。

  • さまざまなデバイスで使用可能
    クラウド型の会計ソフトは、データをクラウドサーバー上に保管するため、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスができます。ソフトの仕様にもよりますが、スマートフォンタブレットなど、さまざまなデバイスでアクセス可能です。
  • 口座情報や取引明細を自動的で仕訳
    会計処理の効率化において、現金や取引の仕訳は比重が大きい部分です。クラウド型の会計ソフトは銀行口座やクレジットカードとの連携が可能で、入出金や取引明細を自動で取り込み仕訳してくれます。
  • 財務状況をリアルタイムで把握可能
    クラウド型の会計ソフトは、入出金や取引を発生時点でリアルタイムに記録・仕訳するため、財務状況をリアルタイムに把握できます。
  • バージョンアップや更新が自動
    企業の会計に関係の深い税制改正は、毎年施行されています。会計ソフトもそれに応じてバージョンアップを定期的に行わなければなりません。
    インストール型の場合、バージョンアップや更新作業は手動です。新しいバージョンにする際は追加費用もかかります。クラウド型であればこれらはすべて自動で行われ、いつでも最新のシステムを無料で利用できます。

導入にあたっての留意点

クラウド型会計ソフトは、上記で記載した通り、さまざまなシチュエーションで使え、自動で処理がなされるなど経理業務をかなり省力化することができます。
会計情報もタイムリーに把握することができるため、経営の大きな武器になります。
しかし、その導入は慎重に行わなければなりません。
なぜなら、自動で処理がなされるため、誤った設定をしてしまうと、自動的に誤った処理が積み重なってしまい、会計データが修正が難しくなるほどグチャグチャになってしまうからです。
実際に私たちが入らせていただく前にクラウド型会計ソフトの導入を自力で行っていたお客様で、会計データが使い物にならなくなっていることもよくあります。

会計データの取り扱いは慎重に行わなければならない

中小企業においても、税務申告において会計データが使われます。税務会計と言われるものですが、これは法的に作成が義務付けられており、制度会計ともいわれます。
制度会計においては、法的な要件に基づいて正しく会計処理がなされていなければなりません。会計データがこれらの要件を満たしていなければ、税務上の様々な制約を受ける可能性があります。

会計ソフトを変更する場合、会計データがしっかりと制度上の要件を満たすように慎重に移行作業を行わなければなりません。
これはクラウド型会計ソフトを導入する場合でも同じことです。

クラウド型会計ソフトは、さまざまな機能がついており、細かく設定することで経営判断に資するような分析資料を作成することもできます。
しかし、まず行うべきは、このような経営判断に資するような分析資料を作るための会計(管理会計)データの処理を可能にするシステム設計ではありません。上記で記載したように、しっかりと法的要件に基づいて会計データが作られるように、制度会計上問題のない会計データの処理を行うためのシステム設計を先にすべきです。

また、システムの移行ですから、当然に従来の会計ソフトとの並行稼働を少なくとも3カ月~半年はしなければなりません。
上手く処理ができなかった場合に備え、バックアップとして従来の会計ソフトのデータも残しておくべきです。

ERP型を使用する場合の留意点

クラウド型会計ソフトによっては、会計ソフトの機能以外にも様々な機能がついているERP型のものもあります。
私たちが推奨しているfreeeもERP型です(参照:コラム「クラウド会計ソフトのうち私たちがfreeeを選んだ3つの理由」)。
請求管理、入金管理、購買管理、経費精算機能など、さまざまなことができ、それらがすべて会計データに自動連係されます。
これらの機能についても、初めからすべて使うかどうかは慎重に検討したほうがいいでしょう。最終的にはすべての機能を使うことをお勧めしますが、一気に導入を進めると混乱する場合も多いです。
エクセル等で従来からしっかり管理されている場合には、それらの機能を順番に一つずつ導入することをお勧めします。

経理担当者が反対するケース

クラウド型会計ソフトを採用しようとするとよくあるのが、経理担当者からの反対です。
中小企業においては、何年にもわたってその会社を裏で支えてくれている経理担当者がいるケースが多いです。経営者の奥様等、親族の方がやられているケースも多く、重要な役割を担われています
このようなケースでは、経理担当者の方は自分のやり方が確立しており、アナログなやり方に慣れていることも多く、従来の会計ソフトとは大きく異なるクラウド型会計ソフトの導入に反対されることも多くあります。

このような場合には、どのようにクラウド型会計ソフトの導入を図ればいいのでしょうか?

絶対に上手くいかないのは、経理担当者の方の意見を聞くことなく、強引に導入を進めるやり方です。
このような経理担当者の方は、経営者が気づいていないケースが多いですが、経営上重要な役割を担っています。誰も気づけないような処理上の漏れやミスに気付いてくれていたり、経営者を上手く制止していたり、他の部署へ細やかな配慮をしていたりと、経営になくてはならない存在です。
システム移行によって、そのような方々に大きな負荷がかかるようなことがあっては経営にも悪い影響が出かねません

経営者は経理担当者の方の考えをしっかり聞いて、システム移行についても理解を仰ぐべきでしょう。
そもそも上手く導入することができれば、経理担当者の負荷は相当程度低減され、その能力をより高度な経営管理や分析業務に割くことができます。
この点を理解してもらえれば、喜んで導入に協力をしてくれます。

私たちのように、クラウド型会計ソフトの導入支援を行っている会計事務所の力を借りるのも有効だと思います。私たちは経理の方の苦労や貢献について最大限理解し考慮することができますので、導入をスムーズに行うことができます。

会計事務所にできること

上記で記載した通り、クラウド型会計ソフトの導入によって、経理実務は効率的になり、経営に役立つデータの集計や分析が可能になります。
しかし、その導入は慎重に行わなければなりません。
私たちが導入にあたってまず実施するのは、導入のフローを設計することです。
お客様によって状況が違いますので、現状の経理や管理業務の実態をお聞かせいただきます。そして、法的要件を満たした制度会計上問題のない会計データが作れるようにシステム設定を行っていきます。
その後、付随業務の自動化、タグ設定などによる管理会計用のシステム設計などを行っていきます。
焦ってすべての機能を同時に使いこなせるように短期間で導入支援を行うことはありません。
導入が終わった後もしっかりと運用できるようになるまで支援します。この運用のご支援については、税務顧問契約があるからできることだと思います。
私たちが基本的に税務顧問契約があるお客様にしか導入支援を行わない理由はここにあります。

会計事務所にもそれぞれ様々な特徴があります(参照:コラム「会計事務所の選び方」)。このようなシステム導入のできるITに強い会計事務所も限られますので、対応してもらえるか確認するといいでしょう。

中小企業経営において、DX化は大変重要な課題になっています(参照:コラム「中小企業のDX化と会計事務所の役割」)。その中心であるクラウド型会計ソフトの導入を急がれる会社も多いと思います。
しかし、会計データは法的要件を満たすように正確に作成されなければならず、会計ソフトの移行も慎重になされなければなりません。
また、管理会計に資するデータ処理をするにも、システム設計には専門的なノウハウが要ります
ぜひ、弊社のような導入支援に強みのある会計事務所にクラウド型会計ソフトの導入支援を依頼されることをお勧めします!
(参照:ブラザシップの「クラウド会計導入支援」

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